学問・資格

セミナー②野依良治先生の講演

8校セミナーの第二部はノーベル化学賞受賞された 野依良二先生の講演です。難しい内容もあり、必死でついて行きましたが、ユーモアのある素敵な方でした。比較的小さな場所でしたので身近にお顔を拝見しながら講演を聞くことが出来て本当にすばらしい時間を過ごすことが出来ました。

「憧れと感動、そして志」・・・
ノーベル化学賞を受賞されたその賞状にイニシャルのRとNのアルファベットがデザインされ、左右対称のマークが入っていました。左右対称のこのデザインが美しくて気に入っているとのことでしたこの感性にこの方のすべての成功があるとまず感じました。私が大好きなある方が、ご自分の息子さん2人に左右対称の漢字にこだわって名前を付けたお話をうかがったことがあります。同じような美感やロマンを抱いていらしたのでしょうか・・・。

というところからゆっくりと講演は始まったのですが、それからは終始穏やかながら、どんどん熱がこもってきます。
「化学」とは、果てしなく続く「知の旅」。目的地へ到達することより様々な出会い、良い旅をすること自体に意味があり、優れた研究は有為の人を育て、また社会に貢献する」という考えを根底に持っておられます。

人間は、いつも環境と対峙し順応しながら生きていて、自然を知り、文明を作り、文化を産んできました。ここには限界があります。しかし、「ヒト」は、手を持ち(技術)、脳(知識)を持ちます。そこで化学によってそれ以上の環境を作り出すことが出来るのです。

野依先生の「憧れと感動」の始まりは、湯川秀樹であり、小学校の頃、東レの製品発表会で、ナイロンが石炭と水空気で出来ることを知ったとき、そして、ビニロン発明者の桜田一郎先生にあこがれて京都大学に進学されます。

それから何十年、ノーベル賞創設100年の記念すべき2001年に、不斉合成のための触媒分子の研究・開発によりノーベル化学賞を受賞されました。鏡像関係(分子の右と左)にある二つのキラルな分子は、生命現象、生物現象に関わるとき、多くの場合まったく違った性質を示します。しばしば生物に対してどちらか一方のみが機能を持つため、これを作り分けることは、医薬品や農薬、香料、食品添加物などの合成においては極めて重要です。不斉合成とは、分子の一方のみを作り出すことです。酵素反応や微生物を使ったバイオテクノロジーに頼らない人工的な不斉合成法の開発は、20世紀最大の課題の一つでした。野依先生はこれを可能にする触媒分子の開拓に成功し、その夢を現実のものとされました。パスツールに対する挑戦だったともおっしゃっていました。

野依先生が、どうして成功したのか・・・それはあきらめなかったから、そして、ただただ分子の美しさに惹かれあこがれたから・・・と強く強くお話をされました。

科学研究の評価の要素は、独創性(驚き)・普遍性(信頼、納得)・継続的な先導性・科学的、社会的波及効果
などありますが、それよりも、誰のために科学技術を発展させるのか、が大切なのです。野依先生は環境を大切にする「グリーンケミストリー」を唱えておられる方です。世界の人々が科学技術を理解し、手を携える、経済や政治が一貫となって次世代につながる化学を目指しておられました。それは、産業技術の発展、生活様式の変化など、過大な人間活動が深刻な気候変動、環境変化、そして資源エネルギーの枯渇を引き起こしている責任も含めてです。

今日先生のお話を聞いていて「化学」というのは、極めて優しく、なんて夢のあるものだろうと感じました。

本当に密度の濃い充実した時間を与えて頂きました。あっという間の4時間、先生が伝えたかったことのほんの何割かしかきっと頭の中に入ってないと思います。でも”心がわくわくして楽しかった”と感謝しています。

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8校セミナー①

「8校セミナー」に参加してきました。教育委員会主催、進学指導研究協議会に属する8高校企画のセミナーです。かなり端折ってしまうが、メモとして記憶に新しいうちに要点を記録しておきたいと思いました。

「この世界のどこかを支える人を育てる戦略」

論点1:なぜ「勉強だけでなく部活や行事も頑張りなさい」なのか?
根幹は、「人間を鍛え、使える人材にする」こと=いわゆる全人教育
  ・まずタフであること(少々のことは対応できる)
  ・誇るべき体験が生み出すもの(前向きな意欲・困難に負けないチャレンジ精神・仲間と  の絆)
  ・家族や仲間の力を借りること
  ・部活動や行事においても同様

論点2:自分が役に立てる「世界のどこか」の探し方
「自己実現」「自分探し」というのは自分が中心の考え方。本当の自己実現は、常に「他人」との関係において成立する。「自分のためにガンバル」は、実は弱いもので、ハードルが自分で容易に下げられる。
では、どうすれば「世界のどこか」を探せるか?
  ・当然マニュアルはない
  ・本当の自己実現とは、「自分が喜んでもらえる、役に立てる場所探し」。
   自分のためより、誰か、何かのために頑張る方が強い。
  ・「他者」と自分との関わり合いの中で見つけていくしかない。そのためには、「良質の他者(人の人生、人の言葉)とのチャンネルを出来るだけ多く持つことが必要。

「すべての教科に共通する本質」

論点1:わかるとはどういうことか
「わかったつもり」ではなく、自ら「なぜ?」という疑問を持ち、それを解決出来る(「本当にわかった」と納得できる)能力である。
この論点について、各教科の例題が提示された。数学・科学・物理・英語・世界史の問題なんて「わかる」レベル最低だと思います。模範解答の論理がかろうじて理解できる程度です。本当についていくのが私の頭では無理、理解に及びませんでした。結局、
本当に「わかる」ために、
  ・着眼点を持つ。
  ・「なぜ」と言う疑問を常に抱く
  ・自分で納得するまでとことん考える

論点2:言葉
私たちは、言葉で考え、言葉で知識を定着させ、言葉で表現する。
  ・言葉でつなぐことによって理解する
  ・言葉を使いこなす
  ・言葉を鍛える・・・そして
エレガントな答えを導く

論点3:言葉を鍛えるために
それぞれの分野での言葉を操るために何が必要か?・・・様々な体験
  ・わかるようになる→他者との関わりに参加する
  ・自分の言葉で表現する→他者の言葉との遭遇
  ・ともに学ぶ空間を作り上げる

「なんだかわかりますか?」
多くの例題の中で、唯一、私が理解できたものです。考えてみてください。

~新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。小さな子供でも楽しめる。一度成功したら面倒は少ない。鳥が近づきすぎることは滅多にない。ただ、雨はすぐに染み込む。多すぎる人がコレを一斉にやると面倒が起きうる。一つについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。ゆるんでものがとれたりすると、それで終わりである。~

   答えは・・・凧揚げ(和凧・・カイトはビニールで雨が染み込まない

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